南大西洋で1万1900TEU船が炎上・乗員退船――救出に当たった船の一等航海士が殉職、共同海損の現実味
南大西洋のほぼ中央、陸地から約1700キロの沖合で、満載のメガコンテナ船が煙を上げたまま漂っている。Espirito Santo Express――シンガポール船籍、11,900TEU、132,789重量トン、2018年建造。船主はSeaspan、ハパックロイドが傭船し、ONEと共同で南米東岸SX1サービスに投入。MSCの貨物も積まれている。
経緯を整理する。同船は9月25日にシンガポールを出港し、10月10日に喜望峰を回航。10月15日夜、居住区前方の貨物倉内の貨物から煙、続いて火災が確認された。乗員28名は悪天候の中で退船――19名が救命艇、9名が救命いかだ。遭難信号に応答したポルトガル船籍のばら積み船Aeolian Arrowが救助艇を降ろし、全員を収容した。ブラジル当局はNAVAREA V警告0648/26を発し、最終位置を南緯28度07.87分・西経26度56.90分(15日19時06分UTC)と記録した。リオのMRCCが救助を調整し、ブラジル空軍はレーダー装備のKC-390を派遣した。最寄りのトリスタン・ダ・クーニャ島には飛行場がないからだ。
救助には犠牲が伴った。救助艇の回収中、突如うねりが立ち、Aeolian Arrowの一等航海士が海中に放り出された。救助艇は転覆・流失。本人は意識がある状態で目撃され、乗員が浮環と貨物網で何度も救出を試みたが、ついに力尽きて沈んだ。ポルトガルの海事事故調査機関GAMAは「きわめて重大な海難」として調査を開始した。
荷主が押さえるべき点は次の通りだ。
- 救助形態:SMITがロイズ・オープン・フォーム(LOF)で受託し、現地消火が続く。LOF下では救助費用が船・貨物で分担される構造になる。
- 共同海損リスク:ハパックロイドとONEの顧客向け通知は、大幅な遅延と共同海損・救助請求の可能性を明記。宣言されれば、無傷の貨物も分担金の担保なくして引き取れない。
- 2週間で2隻目:10月上旬にはHMM Platinum(約2,300TEU、9月27日インド・カトゥパッリ発、同じくサントス行き)がマダガスカル南方で火災を起こし、乗員24名は無事だが悪天候で南アフリカ沖に足止めされている。
- 寄港地:釜山、上海、寧波、蛇口、香港、シンガポールを経てサントス、パラナグア、ナベガンテス、モンテビデオへ。サントス着は当初10月18日の予定だった。中国発の輸出貨物が大量に積載されている。
実務上の優先順位は明確だ。まずB/L番号とコンテナ番号で自社貨物の積載有無を各船社のトラッキングで確認。次に、損害見込みの大小にかかわらず貨物保険会社へ即座に通知し、通関書類・パッキングリスト・B/Lを一式保全。さらに共同海損の担保書類を早期に準備し、南米東岸ループの遅延・寄港省略・ロールオーバーに備えて出荷計画を組み直すこと。裕豊国際物流の米州路線は南米東岸の主要港をカバーし、寄港変更や代替スペースの手配に対応する。詳しくは米州路線ページ、または sales@ruixincargo.com へ。
出典:Seatrade Maritime、World Ports、Vessel Hunter、The Logistic News、浙江省貿促会の転載情報に基づく。
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