空運運賃は過去2回の繁忙期の天井を越えた。ただし中身は一様ではない
数字だけを見れば強い。TAC Indexがまとめるバルチック航空貨物指数は10月19日までの1週間で4.7%上がり、前年比26.4%高。過去2回の繁忙期の最高値を上回った。例年、天井は感謝祭とクリスマスの直前に来る。今年は2か月近く早い。
ただ、この上昇を「需要が強いから」で片付けるのは乱暴だ。IATAのジェット燃料価格は前年比113.7%高。TAC自身が「航空会社が貨物を運ぶ最低価格に固い床を敷く」と書いている。燃料が2倍になれば、足元の貨物を拾うために運賃を大きく下げる理由は薄い。1月に大きく崩れるというシナリオは、コスト面から見て現実味が乏しい。
需要側はというと、強いのは特定の方向だけだ。Freightosによれば中国発北米は1週間で19%上がって1キロ6.88ドル、世界基準は前年比30%高。WorldACDの世界スポットは10月5日の週で1キロ3.55ドル、前年比34%高だった。10月12〜18日は有償重量も供給も2%ずつ増え、2週続いた縮小から戻している。アジア太平洋発は米国向けが前週比10%増、欧州向けが13%増。香港発米国向けは27%増、中国本土発米国向けは18%増だ。
ところが前年比では景色が変わる。アジア太平洋発米国は貨物量が14%増で運賃が41%高。同じアジア太平洋発でも欧州向けは、国慶節後の戻りがあるのに貨物量が前年比16%減、運賃の週間上昇は1%にとどまる。WorldACDは欧州連合の低価格越境EC対策の影響を一部に挙げている。つまり「世界の運賃が上がっている」という文は、フランクフルト発の荷主とシカゴ発の荷主では意味が違う。
供給側も見ておきたい。湾岸地域の供給は2月末比で20%少ない。中東路線の迂回と運休が長距離の供給を削り続けているためだ。直近1週間の世界の供給は1%減。Xenetaの9月実績は貨物量が6%増、供給が2%増で、差は埋まっていない。貨物量は3週連続で減っているが前年比では9%多い。急騰というより高値圏での平板化で、こういう形のほうが長く続く。
実務的には、アジア発米国向けは11月上旬のスペースを先に押さえたほうがいい。燃料が下支えする以上、待って安くなる可能性は小さい。欧州向けは交渉余地があるが、納期を賭ける場所ではない。航空便に回していた急ぎ物は、太平洋のベリー枠が詰まる間、海空輸送と直送の総コストを並べて比べたい。裕豐国際物流は欧米線で航空と海空の組み合わせを扱っている。米国向けは米国ルート、見積は sales@ruixincargo.com まで。
出典:The Conveyor(Air Cargo News/TAC Index引用)、Breakbulk News(WorldACDおよびIATA燃料価格モニター引用)、Freightos週次指数による。
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