ダーバンの滞留は「海側」ではなく「陸側」で長引いている
数字の読み方を間違えると判断を誤る。ダーバン・ゲートウェイ・ターミナル(DGT)の蔵置率は55.3%まで下がった。それでも10月22日時点で沖には10〜12隻が残り、1日のコンテナ処理は3,300〜3,400ムーブ。入ってくる量をさばくのが精一杯で、列は短くなっていない。
SAAFFとBUSAの週次レポート(第304号)によれば、10月12〜18日のDGT取扱量は28,617TEU、1日平均4,088TEUで前週比14%減。平均沖待ちは274時間、11日を超える。Kuehne+Nagelの10月27日付ポート週報は、DGTの沖待ち10.5日、滞留約3万ムーブ、ターミナル別の遅延0〜17日と記している。1日4,600ムーブに上げても、今の列を捌くのに約1か月かかるというのがSAAFFの試算だ。
原因の一端は技術だ。DGTは今年8月にターミナル・オペレーティング・システムを入れ替え、以降のバース計画やゲート予約が安定していない。Kuehne+Nagelは「system stabilisation」という言葉を使っている。加えて第1バースでは岸壁クレーン3基が同時に停止し、2バースを4基で回す状態が続いた。蔵置率が下がっても船が入れない理由はここにある。
荷物は動いている。ングクラは19,062TEU(前週比10%減)ながら国内2位、沖待ち2.6日・バース3.3日。ケープタウンは15,288TEUで35%増、沖待ち0.7日。ポートエリザベスは464%増の7,935TEUで、迂回していた荷物の一部が戻った。全国のコンテナターミナルは90,885TEU、2%増、1日平均12,984TEU。ただし振り替えのコストは内陸に落ちる。鉄道距離が伸び、ターミナル料率が変わり、レイキャンに書かれていない待ち時間が増える。
陸側も同時に傷んでいる。ダーバン発の鉄道コンテナは33%減の1,269本。マプト向けN4回廊は1日1.5本、トラック越境は1,396台で2%減。10月15日にはレボンボ国境で15kmの列ができた。モザンビーク側が求めるスペアタイヤ3本の携行義務は今も不明確で、これが現場でいちばん読みにくい変数になっている。SADC域内の国境待ちは平均7.4時間、南アフリカの中央値は8.3時間、ザンビア側からカスンバレサは5日かかる。
北へ行くとベイラは「混雑」という言葉では足りない。7日平均の沖待ち14.5日、Kuehne+Nagelは「依然として危機的」と書き、ターミナル復旧の最中に突風と降雨が追い打ちをかける。モーリシャスのポートルイスは6日で、東行きの寄港見送りが第48週まで組まれている。理由は明快で、ダーバン遅延で崩れた定時性を守るためだ。ダーバンの借金をインド洋のハブが払っている構図である。
コストも数字になっている。SAAFFとBUSAはこの週の物流遅延の間接コストを7億3,600万ランド(前週8億4,300万ランド)と推定。『State of Logistics 2026』は南アフリカの物流コストが1兆1,560億ランド、GDP比14.6%に達すると予測する。
実務では、本船がダーバンを飛ばすかどうかを書面で確認したい。ングクラやケープタウンに振り替えた場合、内陸区間を誰がどの料率で払うのかまで詰める必要がある。南ア向けの輸入は発注を2〜3週間前倒しに。モザンビーク経由のトラックは、スペアタイヤと書類を積み込み前に揃えること。ポートルイス経由の積み替え貨物は、東行き欠航が11月下旬まで組まれている前提で納期を引く。裕豐国際物流はアフリカ線で戸口から通関までの一括手配を行っている。アフリカルート、見積は sales@ruixincargo.com まで。
出典:SAAFF/BUSA「Cargo Movement Update」第304号(Africa Ports & Ships、OrePulse 報道)、Kuehne+Nagel 2026年10月27日付グローバル港湾週報による。
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