豪州・NZ路線、11月はコストも船期も厳しく――マースクのPSS導入と21%の定時率
11月の豪州・ニュージーランド向け出荷を計画している荷主は、費用と船期という二つの帳簿を同時に開く必要がある。まず金額の話から。
マースクはアジアからオセアニア向けの乾貨物コンテナに対し、11月1日の課金日からピークシーズンサーチャージ(PSS)を課す。有効期限は「別途通知があるまで」。豪州行きは20フィートで500ドル、40フィートで1000ドル。ニュージーランド行きは300ドルと600ドルだ。見落としやすい点が適用範囲で、対象はSPOT以外の予約のみ。オンラインのSPOT運賃で確保した貨物は影響を受けないが、契約貨物や通常のスポット予約にはこの上乗せが乗る。
今回の調整は単発ではない。同一グループのANLはすでに10月15日から一部航線で運賃を回復させており、アジア発豪州向けスポット・FAKの一部は11月1日から改定後の水準になる。OOCLも同日に緊急バンカーサーチャージを引き上げ、非冷蔵40フィート輸入コンテナあたり450ドル(中国本土・香港・台湾発を除く)。燃料面の背景も数字で確認できる。シンガポールのVLSFOは10月13日時点で1トン905.50ドルと、10月1日の876.50ドルから上昇したままだ。サーチャージ、運賃回復、燃料。三つが同じ月に重なれば、11月のオファーが上振れするのは自然の成り行きだ。
金額より厄介なのが船期の実態である。eeSeaの集計によれば、豪州五大港の9月平均定時到着率は21%にとどまり、1〜8月の平均33%から12ポイントも落ちた。遅延船の平均遅れは6.8日。内訳は以下の通り。
- シドニー:定時率23%、平均遅延6.5日
- ブリスベン:定時率23%、平均遅延6.3日
- メルボルン:定時率21%、平均遅延7.4日
- フリーマントル:定時率19%、平均遅延6.0日
- アデレード:定時率17%、平均遅延7.7日
アデレードとメルボルン向けの貨物が最も遅れやすい。上流をたどれば、世界のコンテナ船定時率は8月時点で49.9%と2022年9月以来の低水準で、遅れの種はアジアの積み込み港で撒かれている。陸側も油断できない。メルボルンDP World West Swansonターミナルのトラック受け渡しは2〜3時間、7時間待った例もあり、土木工事で約1100 TEU分のヤード能力が失われた。ブリスベンのDP Worldも大型船入港後に陸側混雑を経験している。唯一の緩和材料は、豪州路線の欠航率が3か月前の13.9%から8.8%まで下がったことだ。なお、豪州の新たな検疫・バイオセキュリティ規則は10月1日に発効済み。書類の照合を忘れずに。実務的には、11月の契約貨物はPSSを引き合い価格に織り込むこと、予約がSPOTか否かを確認すること、メルボルン・アデレード向けには1週間以上のバッファを置くこと、この三つが効く。豪州ライン案内も参照されたい。
出典:マースク顧客向け通知、Seabridge Global LogisticsおよびMagellan Logisticsの市場レポート、eeSeaの定時率データによる。
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