バーレーンが38.9億ドルのゴールデンライセンスを4件交付――DHLのMROとCapital Aの貨物拡大が示すもの
バーレーンの投資フォーラム「Gateway Gulf 2026」が11月1日から2日、マナーマのフォーシーズンズ・ホテル・バーレーン・ベイで開かれた。主催はバーレーン経済開発委員会(EDB)。200人以上の閣僚級・政府高官、CEO、投資家が集まり、4件の大型プロジェクトに「ゴールデンライセンス」が交付された。総投資額は38.9億米ドル(約14.6億バーレーン・ディナール)。内訳は航空物流、不動産、テクノロジーで、うち2件がエアカーゴに関わる。
1件目はDHLだ。同社はバーレーン国際空港に、地域で初めてにして唯一のMRO(整備・修理・オーバーホール)施設を設立する。拡大を続ける自社機隊を支え、バーレーンから展開する世界規模の運航能力を増強する。発表はDHLの中東・北アフリカ(MENA)ハブとしてのバーレーンへのコミットメントと直結している。見出し映えはしないが、エクスプレス網の生命線は機隊の稼働率であり、ハブ地域内に重整備を置くことは、遠隔地への Ferry フライトを減らし、時間指定貨物のスケジュール予測性を高めるという意味で実利的だ。
2件目はCapital A(エアアジアの親会社)で、3つの航空事業を包括するライセンスを取得した。バーレーンと極東・欧州を結ぶ接続強化、段階的な航空貨物能力の拡大、国内での航空機整備能力の構築。このうち「段階的」という表現は見逃せない。一度の大型就航ではなく、数回に分けて能力が積み上がる設計であり、フォワーダーと荷主には連続的な交渉の窓が開くことになる。
背景も押さえておきたい。ゴールデンライセンスは2023年に導入された制度で、大型外資に許認可と実施段階の政府支援を一括して与えるものだ。バーレーンの非石油部門は既にGDPの約86%を占め、航空物流とMROはその多角化戦略の看板である。MROは着工から稼働まで年単位を要するため、今四半期の既存予約に影響はない。だが、サウジアラビアとカタールの間に位置するバーレーンが湾岸配送の代替ノードになる素地は既にある。低価格航空グループによる段階的増強は、東南アジア―湾岸区間の運賃競争を促してきた歴史がある。発表ではなく実施マイルストーンを追うのが荷主側の読み方だ。中東向けの輸送手段は、当社の中東ライン案内も参照されたい。
出典:バーレーン経済開発委員会Gateway Gulf 2026公式発表(PRNewswire)、The European、Property News Internationalに基づく。
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